• 2026年4月21日

【消化器内科医が解説】胃痛の原因と対処法

胃痛の主な原因とは?

「みぞおちがキリキリする」「食後に胃が重い」「空腹時にシクシク痛む」――
胃痛は非常によくある症状ですが、原因は一つではありません。単なる胃の疲れと思って放置していると、急性胃炎・慢性胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎などの疾患が背景にある場合もあります。

ここでは、胃痛の主な原因、食事の考え方、日常生活での注意点、そして受診の目安までを整理して解説します。

胃痛の主な原因①:ストレスと自律神経の乱れ

胃などの消化管は自律神経(交感神経・副交感神経)によってコントロールされています。

強いストレスや慢性的な緊張状態が続くと、

  • 胃酸の分泌が過剰になる
  • 胃粘膜を守る粘液分泌が低下する
  • 胃の運動機能が乱れる

といった変化が起こります。

その結果、胃粘膜が傷つきやすくなり、シクシク・キリキリとした胃痛が生じます。

特に以下のような方は注意が必要です。

  • 仕事や人間関係のストレスが強い
  • 睡眠不足が続いている
  • 食事時間が不規則
  • 緊張すると胃が痛くなる体質

胃は「ストレスの影響を受けやすい臓器」です。生活背景の見直しも重要な治療の一部になります。

胃痛の主な原因② 食べ物・嗜好品による刺激

日常の食習慣も、胃痛の大きな要因です。特に次の食品は胃への負担が強いとされています。

高脂肪食(脂っこいもの)

ステーキ、揚げ物、こってりしたラーメンなどは消化に時間がかかり、胃酸分泌を増加させます。胃もたれや食後の胃痛の原因になります。

刺激物

  • 香辛料
  • 味の濃い食事
  • アルコール
  • カフェイン(コーヒー・紅茶・エナジードリンク)

これらは胃粘膜を直接刺激し、胃酸分泌を促進します。

その他の習慣

  • 早食い
  • 食べ過ぎ
  • 炭酸飲料の過剰摂取
  • 夜遅い食事

これらも胃痛を引き起こしやすい生活習慣です。

胃痛があるときの食事はどうする?

「胃が痛くても食べたほうがいいですか?」という質問は非常に多くあります。結論は症状の程度によるです。

激しい痛み・急性胃炎が疑われる場合

強い痛み、吐き気、急な症状がある場合は一時的な絶食で胃を休ませることが推奨されます。水分も少量ずつ摂取し、刺激物は避けましょう。

症状が落ち着いてきた場合

2〜3日で改善傾向があれば、

  1. スープや牛乳などの流動食
  2. お粥・うどん
  3. 豆腐・白身魚

といった消化の良い食事へ段階的に移行します。

日常的に胃痛を感じやすい方

  • 腹八分目を徹底する
  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 食事時間を一定にする

これだけでも胃への負担は大きく軽減します。

胃痛を和らげる姿勢と生活上の注意

食後は安静に

消化には血液が多く必要です。食後すぐに激しく動くと、血液が手足に回り消化が妨げられます。軽い休息をとることが理想です。

食後すぐに横にならない

逆流性食道炎のある方では、食後すぐに寝ると胃酸が食道へ逆流し、みぞおちの痛みや胸焼けが悪化します。寝る場合は上半身をやや高くする工夫が有効です。

横向きに寝る

横向きになり、上側の脚を曲げて体の前側に倒します。シムスの姿勢と呼ばれており、この姿勢を取ると胃痛が和らぐ可能性があります。
胃もたれの改善や消化を促進させる場合は右腹を下、胸焼けや逆流性食道炎など逆流を防ぎたい場合は左腹を下にしてシムスの姿勢になることで症状が改善すると言われています。

こんな胃痛は要注意|受診の目安

胃痛はありふれた症状ですが、重大な疾患が隠れていることがあります。特に次の症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。

  • 痛みが数日以上続く
  • 黒い便(タール便)が出る
  • 吐血がある
  • 冷や汗を伴う強い痛み
  • 体重減少がある

背景に

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃がん
  • 心筋梗塞

などが潜んでいる可能性も否定できません。

特に40歳以上で症状が続く場合は、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)による精査が重要です。

まとめ|胃痛を「よくあること」で済ませない

胃痛は、ストレス・食事・生活習慣の乱れなど、身近な原因で起こります。しかし、その裏に重大な疾患が隠れていることもあります。

これらを整理することで、原因の見極めがしやすくなります。

  • 痛みの性質(キリキリ・重い・差し込むような痛み)
  • 発症のタイミング(空腹時・食後)
  • 付随症状(吐き気・黒色便など)

「いつもの胃痛」と自己判断せず、症状が続く場合は消化器内科へご相談ください。早期診断・早期治療が、将来的な重症化を防ぐ鍵となります。

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