• 2026年10月7日

胃がんの初期症状とステージについて|早期発見のために知っておきたいこと

「最近、胃の調子が悪いけれど、胃がんではないだろうか」「胃がんにはどのような初期症状があるの?」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

胃がんは、日本人に比較的多くみられるがんの一つです。

一方で、胃がんは早期の段階では自覚症状がほとんどないことも少なくありません。

そのため、「症状がないから大丈夫」と考えるのではなく、健康診断や胃がん検診、必要に応じた胃内視鏡検査(胃カメラ)によって、早期に発見することが重要です。

今回は、消化器内科医の立場から、胃がんの初期症状や進行した場合にみられる症状、ステージ(病期)、そして早期発見のためにできることについて解説します。

胃がんは、胃の粘膜にある細胞が何らかの原因によってがん化し、異常に増殖することで発生します。

胃がんは、がんが胃の壁のどの程度まで深く入り込んでいるか、周囲のリンパ節へ転移しているか、胃から離れた臓器へ転移しているかなどによって進行度が分類されます。

特に重要なのが、早期胃がんの段階で発見することです。

早期胃がんの中には、がんが胃の粘膜など浅い部分にとどまり、一定の条件を満たす場合、胃カメラを使って病変を切除する内視鏡治療が可能なケースがあります。

胃がんの初期には、特徴的な症状が現れないことがあります。

症状があったとしても、以下のような胃炎や胃潰瘍などでもみられる症状であることが多く、症状だけで胃がんかどうかを判断することはできません。

胃の痛みや、みぞおちのあたりの違和感、重苦しさなどがみられることがあります。

「食後に胃が痛む」「胃がもたれる」といった症状が続いている場合には、単なる胃腸の不調と考えず、一度消化器内科を受診することをおすすめします。

以前と同じ量を食べているのに胃が重く感じたり、食欲が落ちたりすることがあります。

ただし、これらは胃炎や機能性ディスペプシアなど、胃がん以外の病気でも起こる症状です。

胸やけや吐き気、食後の不快感などが続く場合もあります。

胃がんだけに特徴的な症状ではありませんが、症状が長く続く場合や、徐々に悪化している場合には検査を検討しましょう。

特にダイエットなどの明確な理由がないにもかかわらず、体重が減ってきた場合には注意が必要です。

食欲が低下して食事量が減っている場合だけでなく、病気によって体重が減少している可能性もあります。

胃がんから出血が起こると、慢性的な出血によって貧血になることがあります。

また、胃や十二指腸など上部消化管から出血すると、便が黒くなる「黒色便」がみられることがあります。

「健康診断で貧血を指摘された」「最近、黒い便が出る」という場合には、胃や腸からの出血がないか確認することが重要です。

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胃痛

胃がんで特に注意したいのは、早期の段階では自覚症状がほとんどない場合があることです。

胃の痛みや食欲低下などがないからといって、胃がんを完全に否定することはできません。

一方、胃がんが進行すると、強い腹痛、食欲低下、体重減少、貧血、吐き気・嘔吐、食事が通りにくいなど、さまざまな症状が現れることがあります。

したがって、胃がんの早期発見には、症状の有無だけではなく、定期的な検査を受けることが重要です。

胃がんの「ステージ」とは、がんがどの程度進行しているかを表す「病期」のことです。

胃がんのステージを決める際には、主に以下の3つが重要になります。

  • T:胃の壁にどの程度深く入り込んでいるか
  • N:周囲のリンパ節に転移しているか
  • M:離れた臓器に転移しているか

これらを組み合わせて、胃がんの進行度を総合的に判断します。

比較的早期の胃がんです。

がんが胃の浅い部分にとどまっているケースが多く、リンパ節への転移がない、あるいは少ない段階です。

病変の大きさや組織型など一定の条件を満たしていれば、胃カメラによる内視鏡治療が選択される場合もあります。

がんが胃の壁のより深い部分まで進んでいたり、周囲のリンパ節への転移が認められたりする段階です。

がんの広がりによって治療方針は異なりますが、手術を中心とした治療が検討されることがあります。

胃の壁への浸潤がさらに進んでいたり、リンパ節への転移が多く認められたりするなど、進行した胃がんです。

手術だけでなく、抗がん剤治療などを組み合わせた治療が検討されることがあります。

胃から離れた臓器などへの遠隔転移が認められる段階です。

治療では、がんの進行を抑えることや症状を和らげることなどを目的として、薬物療法を中心とした治療が検討されます。

なお、実際のステージは、画像検査や内視鏡検査などによる治療前の評価と、手術を行った場合の病理検査による評価で異なることがあります。

胃がんを早期に発見するためには、胃カメラ(胃内視鏡検査)が重要な検査の一つです。

胃カメラでは、食道から胃、十二指腸までを直接観察し、胃の粘膜にある小さな病変や粘膜の変化を確認できます。

必要に応じて病変の一部を採取し、顕微鏡で調べる「生検」を行うこともあります。

国立がん研究センターの胃がん検診ガイドラインでは、胃X線検査と胃内視鏡検査が胃がん検診として推奨されています。

胃カメラ

以下に当てはまる場合は、症状を放置せず、一度消化器内科で相談することをおすすめします。

  • 胃痛やみぞおちの不快感が長く続いている
  • 胃もたれや食欲低下が続いている
  • 原因がないのに体重が減ってきた
  • 健康診断で貧血を指摘された
  • 黒い便が出る
  • 胃の検査で異常を指摘された
  • ピロリ菌感染を指摘されたことがある
  • 長期間、胃の症状が続いている
  • 胃がん検診を長期間受けていない

特に、健康診断や胃がん検診で「要精密検査」と判定された場合には、症状がなくても精密検査を受けることが大切です。

胃がんは、早期の段階では症状がほとんどないことがあります。

そのため、「胃が痛くないから胃がんではない」「食欲があるから大丈夫」と症状だけで判断することはできません。

胃がんは、早期に発見できれば内視鏡治療など身体への負担が比較的小さい治療が可能となる場合があります。

胃の症状が続いている方はもちろん、健康診断や胃がん検診で異常を指摘された方、胃の検査をしばらく受けていない方は、消化器内科にご相談ください。

胃がんは「症状が出るのを待つ」のではなく、早期発見のために適切なタイミングで検査を受けることが大切です。

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