大腸のポリープは、ポリペクトミーで切除!
大腸がんの多くが大腸ポリープから進行が生じると言われています。内視鏡を用いれば、ほとんどのケースで切開手術をすることなくポリペクトミー(※)でポリープ切除することができます。
当院の院長は、以下に記載の専門医資格を取得しており、このポリープ切除にて臨床経験を十二分に積んできております。 患者様に信頼のおける診療の提供に努めております。
- 日本外科学会認定 外科専門医
- 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
- 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
- ※ポリペクトミーとは、
- 良性腫瘍を含めた隆起(りゅうき)性病変を切除し取り除くことで治療する方法です。 ポリペクトミーを行う腫瘍の病変は以下の様な形態です。
- 茎や起始部の径が20ミリ以内の小さな形態
- 多くは隆起状の形態
- 表面型の形態もある
大腸ポリープ切除について
ポリープ切除の実際、ポリープ切除後の注意点と胃ポリープ・大腸ポリープの状態や症状についてご説明いたします。
大腸ポリープ切除の実際
大腸ポリープの切除は、ワイヤー(高周波スネア)、または、クリップ状のコールドポリペクトミー鉗子(かんし)で切除を行います。
※隆起の少ないポリープの場合は、局所注射用の注射針を用いて根元に生理食塩水などを注入し、ポリープを盛り上がらせてから切除します。
ワイヤー(高周波スネア)
ワイヤー(高周波スネア)を投げ縄のようにポリープの根元に引っ掛けて焼き切る方法やワイヤーを閉めて根元を壊死(えし)させて自然脱落させる方法があります。 切除したポリープを回収して組織診を行えば、正確に良性または悪性度の判断もつきます。
ポリープ切除後の注意点
ポリープ切除は、検査ではなく手術に相当します。
そのためポリープ切除後は、患者様の状態やケースに応じた生活上の制限(食事、運動、入浴、アルコールなど)が生じてきます。 必ず医師の指示に従ってください。
※腹痛、吐き気、発熱、血便、肛門からの出血などが見られた際は、当院までご連絡ください。
大腸ポリープ
大腸ポリープとは、大腸粘膜の一部が隆起した病変で、直腸およびS状結腸に多く見られます。大きさは数ミリ~3センチ程度です。
大腸ポリープは、組織タイプの違いから大きく「腫瘍性」と「非腫瘍性」の2つに分けられます。 腫瘍性ポリープは腺腫と呼ばれ、小さなうちはほとんどが良性です。 しかしながら大きくなるとともに部分的に小さながんが生じることも少なくありません。 これが腺腫内がんです。
腺腫の一部は放っておくとがんになることがあり、そのため前がん病変ともいわれます。 腺腫は環境要因と遺伝要因が影響し合って起こると考えられております。 環境要因としては食習慣が特に重要で、高脂肪・低繊維食が危険因子とみられています。
非腫瘍性ポリープには、小児に多い若年性ポリープ、高齢者に多い過形成性ポリープ、腸炎後にみられる炎症性ポリープなどがありますが、いずれも良性でがん化することはほとんどありません。 ポリープの症状としては、小さなポリープでは大部分が無症状ですが、大きなものでは便への血液の付着や便潜血が起こってきます。
大腸ポリープの診断と治療
大腸ポリープの診断にあたっては、主に大腸内視鏡検査が行われポリープの有無を確認し、ポリープを見つけた場合は、大きさ・形状・色調などを観察します。 正確なポリープの性状診断は、顕微鏡を用いた病理組織学的検査によって行われます。
ポリープの治療としては、腫瘍性の場合は内視鏡を使って切除します。 非腫瘍性ではがん化することがほとんど無いので、積極的に切除することはありません。 ただし有茎性で大きなポリープは出血や腸重積(腸の一部が、同じ腸の中にもぐり込んでしまう疾患)を引き起こす可能性があるため、内視鏡による切除を行います。
胃ポリープ
胃ポリープは、胃の中の粘膜が一部隆起した病変で、健診・検診、人間ドックで発見されることがほとんどです。
1年に1回の健康診断の大切さは、これらの病気を早期に発見できることにもあります。 胃ポリープによる痛みなど自覚症状はほぼありません。しかし稀に上腹部の不快感や吐き気、出血などを伴うことがあります。
ポリープ自体は良性で何の症状も現れず、がんのように転移して生命に関わることもありません。そのため、あえて良性のポリープを取り除く必要は無いといえます。
胃のポリープ切除を行う場合
ポリープの一部は、後にがん化することがあります。
がん化する可能性のあるタイプでは経過観察をする場合とポリープの状態によって内視鏡による手術が必要となる場合があります。 内視鏡によるポリープ切除を行う状態は、ポリープからの出血が見られ、貧血をきたしているような場合や胃の内容物の通過障害を引き起こして胃もたれを招いているような場合には、内視鏡による切除が行われます。